日本セルヴィエ株式会社における臨床開発

日本セルヴィエでの臨床開発はICTR-Japan(International Centre for Therapeutic Research-Japan)が担っており、フランス本社(パリ)の開発組織I.R.I.S.(Institut de Recherches Internationales Servier)と協力して臨床試験(治験)を実施しています。ICTR-Japanは、セルヴィエにおける重要なグローバル開発の拠点の一つであり、様々な責務を有しております。その中でも、最も重要な責務は、実施医療機関と協力して治験を実施することです。実施医療機関の選定、治験の依頼、契約、直接閲覧などを通じて治験を成功裏におさめ、病気で苦しんでいる患者さまのために一日も早く新薬をご提供できるように日夜努力を続けています。

日本での臨床開発におけるICTR-Japanの取り組み

1. Patient In活動

治験には様々なステップがありますが、そのすべてのステップにおいて常に考慮しなければいけないのは、治験にご参加いただく患者さまの視点です。
すなわち、「患者さまにとってこの治験は本当に有意義なものなのか」「この治験が患者さまに過度な負担を与えていないか」「この書類は患者さまにとって理解しやすい文章になっているか」等を念頭におきながら開発を進めています。
このように患者さまの視点を取り入れて開発を計画し、実行することをICTR-Japanでは「Patient In活動」と呼んでおり、患者さまにとってよりよい治験となるように取り組んでいます。

具体的な活動としては、実際に患者会を通じて患者さまとお会いしてインタビューさせていただいたり、アンケートに答えていただいたりすることで、患者さまの意見をお聞きし、開発計画に反映させています。
また、患者さまに弊社の治験情報を提供するべく、以下のウェブサイトにて実施中の治験情報を公開しています。

2. 個人情報への配慮

ICTR-Japanでは日本の個人情報保護法のみならず、ヨーロッパの個人情報保護法であるGDPR(General Data Protection Regulation)も遵守しながら臨床試験(治験)をはじめとする調査研究活動を、関連部門と協力して行っています。治験の被験者さまや、その他の研究活動に御協力いただいた患者さまの大切な個人情報を扱っているという気持ちだけでなく、法律の知識も身に付けた上で業務を遂行しています。

GDPRに基づく被験者様、患者様の個人情報保護の原則は、下記リンクよりご覧いただけます。

3. 社員教育

ICTR-Japanでは、より良い開発は、より良い人材によって初めて作られると考えています。そのため、社員の技術教育、ツールおよびプロセスを重視しています。

技術教育では、導入教育として、フランス本社での研修に加え、ICTR-Japan内でのスクール形式の研修およびOJT(On-the-Job Training)を実施しています。また、実地教育を含む継続研修、スキル研修、SOP研修、学会やセミナー参加、毎月行われるICTR-Japanの会議内での振り返りセッションなどを通じて、継続的に知識・技術の向上に努めています。

ツールとしてはCTMS(Clinical Trial Management System)、治験薬管理システム、文書管理システムなど、治験を効率的に実施するためのITインフラを整えています。人の手に頼らずにすむ部分は積極的にITツールを活用することで、作業時間を短縮するのみならず、クオリティの向上にも役立てています。

プロセス面では、人材の能力の高低によらず、一定の品質を有した成果物を生み出せるように、QMS(Quality Management System)を構築しています。また、日本は不幸にも台風、地震、大雨など自然災害の多い国です。しかし、そういった自然災害が起こった場合にも治験を継続できるように、また治験を中断せざるを得ない場合でも、その期間を最小限にできるように、あらかじめBCP(Business Continuity Plan)を構築し、社員に周知することで、自然災害の影響を最小限に抑えるように努めております。

4. ビジネスパートナー

ICTR-Japanは、製薬会社、CRO、実施医療機関、Phase 1ユニット、SMO、輸送会社、検査会社、産業廃棄物業者、弁護士事務所、翻訳会社、印刷会社など、多くの会社や組織とパートナーシップを構築し、治験の遂行にご協力いただいております。

5. 業界活動

ICTR-Japanは製薬産業の発展のため、DIA、EFPIA、医法研、QA研究会など、各種団体での業界活動にも参加しております。